着心地がよかったり、使い勝手がよかったり。
着物好きが愛してやまない、そんな名品を揃えました。
ウェブ上で集めた、熱い推しコメントも。
大久保信子流裾よけ 梅鼠
計算された形と素材で
すっきりした腰まわりに

腰まわりがすっきりとした美しい着姿をつくるため、着物スタイリストの大久保信子さんが大切にしているのが裾よけによるベースメイク。そのノウハウを詰め込み、形にしたのが、大久保信子流裾よけ。さらしの腰布の幅を広くとっているのは、下腹部とお尻をしっかりと包み込むため。腰布の両端は台形に仕立て、下位置に紐を付けている。これは、斜め上方向に紐を引っ張るように巻き付けることで、おなかとお尻をきゅっと持ち上げることを計算してのもの。持ち上げた後に余ったさらし部分は、折り返せば腰のくびれの補整になる。
腰布の下の裾布には、滑りのいいベンベルグを使用。裾の折り返しを長くとっているため、その重みですとんと垂れて裾さばきもいい。色は渋すぎず、甘すぎないシックな梅鼠。これなら、着物の裾からちらりとのぞいても気にならない。
ここが買ってよかった!
・腰まわりがぴたっと決まります。これに慣れると、ほかの裾よけはもう使えません
・ぽっちゃりとした私のおなかを程よく締めてくれるので、すっきり着られます。着け心地もいいです
すなおさんの何通りにも使える帯揚げ・帯締めセット
きょうはどの組み合わせにする?
遊び心あふれる帯締め帯揚げセット


着つけ講師として活躍する一方、あると便利な和装小物を世に送り出しているすなおさん。帯揚げ・帯留めもそのひとつ。
袷の季節用に、華やかな蜀江文の生地を2色に染め分けた帯揚げと、その2色をリバーシブルにした帯締めのセットは、何通りもの組み合わせができるので、着こなしの幅も広がる。
ここが買ってよかった!
・合わせやすく、数を持たなくても楽しめます。コーディネートに悩まなくなりました
「荒川」和装スリップ 通年タイプ・ブラジャー機能付き
長じゅばんの下はこれ1枚
着つけの時短にも一役


和装ブラ、肌着、裾よけが一体となったワンピースタイプの和装スリップ。直接肌に触れる身頃部分はストレッチ綿になっていて、肌触りはしっとりなめらか、体に気持ち良くフィットする。前身頃は胸全体に適度な厚みがあり、胸元を優しくホールドしながら、胸のラインをきれいに整える。胸の内側はポケットになっているので、補整を足すこともできる。
胸から脇まで汗取り用の生地が付いていて、汗対策も心配いらない。スカート部分には肌触りが良く吸放湿性に優れたベンベルグ混の生地が使われており、静電気が起きにくく、不快なまとわりつきもない。胸元が大きく広がる設計なので、髪をセットしてから着替えるときには、足元から着ることもできる。長じゅばんの下はこれ枚でいいので、着つけの時短にも一役買う。
ここが買ってよかった!
・肌着3枚分が1枚になり、着つけの時間がスピードアップしました
・スリップでは胸のホールド感に不安があったのですが、こちらは問題なし。ノーブラなので苦しくないです
「増田桐箱店×七緒」桐小物引き出し
帯揚げ、帯締めが
ぴったり収まる美しさ

昔から着物や帯を収納するなら桐たんすと決まっていた。防湿・防虫効果があり、高温多湿の日本の気候に適しているのがその理由。ならば、同じ絹ものである帯揚げや帯締めも、桐のたんすに収納したい。
福岡にある桐箱専門店「増田桐箱店」と『七緒』編集部が開発した桐小物引き出しは、そんな思いからつくられた。引き出しは、帯揚げの幅にジャストサイズ。帯締めは三つ折りにすればちょうどよく収まる。しっかりと磨かれたなめらかな表面の仕上げ、スムーズに開け閉めできる引き出し、指を掛けやすい引き手の形状など、隅々に職人による手仕事の細やかさを感じられる。さらに、引き出しにぴたりと収まるトレイと専用仕切り板を使えば、お好みにカスタマイズすることもできる。数が増えた小物を、季節や色、種類ごとに分けておけば、見た目にも美しい。
ここが買ってよかった!
・あちこちに入れてあった帯揚げ、帯締め、帯留めを、1カ所にまとめて収納できました
・帯揚げの収納が上手にできました。夏もの、縮緬(ちりめん)、それ以外など種類で分けたら探しやすくなりました
専用キットで引き出しの中をお好みの形にカスタマイズも。
帆布の道具入れ(ふた付き)
着つけに使う道具類
もう、迷子になりません

小物類を分けてしまっておくと、着つけのときに探す手間がかかる。そんな悩みを解決するために考えられたのが、必要な小物類をひとまとめに収納できるバッグタイプの道具入れ。幅43cmの横長デザインは、しまう場所に困りがちな帯板を、曲げずに入れられるように計算されたもの。
帯板を入れた状態でファスナーを閉められるように、高さは19cmに。内側には行方不明になりがちなクリップが挟めるポケット付き。マチも10cmとたっぷりあるので、帯枕、腰紐、伊達締め、衿芯、さらに折り畳みの着物ハンガーまで、着物まわりの道具一式を収納できる。持ち手付きなので、ふだんはフックを使ってクローゼットなどに掛けておき、着つけのときはそのまま持ち出すだけでいい。ファスナーを閉めればすっきりとスリムになるので、スペースを取らず、ほこりも防いでくれる。
ここが買ってよかった!
・以前は、小物を探し回って準備に 時間がかかっていましたが、今は時短になりストレスもなくなりました。 外出先での着つけにも、バッグをそのまま持って行けばいいので忘れものがなくなりました
「たかはしきもの工房」補整肌着くノ一麻子
汗対策も補整も
これ1枚あれば万全

夏は暑さをしのぐため、肌着はなるべく薄くしたい。けれど、汗対策はしっかりしたいし、美しい着姿のための補整も諦めたくない。そんな願いをかなえるために「たかはしきもの工房」が考案したのが、補整肌着くノ一麻子だ。程よい厚みのある身頃は、肌触りのいい綿楊柳で麻わたを挟み込んだもの。麻わたには汗を素早く吸い発散する性質があるため、汗をかいても肌はべとつかず快適。汗をかきやすい背中と脇には吸水性のある防水布を使い、着物や帯への汗移りを防いでいる。
麻わたの適度な厚みには補整効果があり、和装ブラなしでもバストラインを整えてくれる。補整を加えたいという人は、内側のポケットを利用してカスタマイズすることもできる。さらに肌への刺激を抑えるため、縫い目をできるだけ外側に出し、縫い糸には綿を使用するという優しさも。
ここが買ってよかった!
・10年以上愛用しています。絹ものを着るときには、着物への汗移りを防ぐために必ず着ています
・年中愛用しています。夏でも、体の中を風が抜けていくように感じて涼しいです
最高級洗剤オブリージュ
繊維を保護しながら
すっきり落とす

絹の風合いを損なわず、自宅で水洗いができるようにと、老舗呉服店が洗剤メーカーと共同で開発した高級洗剤。洗いながら繊維を保護し、優しくコーティング。皮などデリケートな素材の汚れ落と脂や汗汚れがすっきりと落ち、静電気も起きにくくなる。洗い方は、水かぬるま湯に所定の量を溶かし、軽く押し洗いしたら漬け置きに。後はすすいで水気を取り、陰干しに。無香料なので香りが苦手という人にも安心。絹の帯揚げや長じゅばんはもちろん、麻、カシミヤなどデリケートな素材の汚れ落としにも。
ここが買ってよかった!
・家庭で正絹の帯揚げや半衿を洗えるので、クリーニング代を節約できます
・洗い上がりもふんわりやわらかで、いい感じです
「小紋屋高田勝」携帯用畳紙
着物の持ち運びが
驚くほどらくになる

二つ畳みの着物と長じゅばんなどを、厚紙が入った不織布の羽根で押さえながら三つ折りにして、最後に着脱テープでびしっと固定すると、驚くほどコンパクトになる。重くてかさばりがちな着物一式も、これなら持ち運びしやすい。 羽根が着物をぴたっと押さえているので、バッグに立てて入れても中で着物がよれたりせず、シワにもなりにくい。着物2枚と長じゅばん1枚、ものによっては帯も一緒に入れられる。裄の長い人は、縦が5cm長いワイドタイプを。
ここが買ってよかった!
・旅行に着物を持って行くことも多いので、この携帯用畳紙は 欠かせません。着物、長じゅばん、帯がコンパクトにまとまるの で、バッグに入れてもかさばりません
「米田進栄堂」無地紐なし畳紙10枚組
ありそうでなかった
無地のシンプル畳紙

着物や帯を出し入れしたり、中身を確認したりするたびに、畳紙の紐を解いたり結んだりするのは面倒なもの。そこで誕生したのが、紐なしの畳紙。上ぶたの隅に重しを付け、その重みで上ぶたが閉じるように工夫されているので、紐なしでも収まりがいい。畳紙を重ねて収納したときに、紐が飛び出て見えることもなく、見た目もすっきりとして気持ちいい。上ぶたに余計な文字がないシンプルな無地のデザインとともに、長く愛されるアイテムとなっている。
ここが買ってよかった!
・デザインと機能性がいい。買い続けたいので在庫が常にあるとうれしいです
・紐がないことで手間が省け、ストレスが軽減されました
文=油科真弓 撮影=尾嶝 太
