少しでも荷物を減らしたい。だけど旅先のおしゃれも楽しみたい。
パッキングをらくに、気分も上がる、上着や小物を大公開。
旅の小技1
上着は”兼用”で
ストンと美しい
ニットコート
「YOUTOWA」ロングニットコート


“着物用”と”洋服用”。そんな区別のない自由なものづくりが支持される「YOUTOWA」のロングニットコート。1861年の創業以来、素材には特に強いこだわりを持ち続けてきたニットメーカーが、この1枚のために選んだのは、オーストラリアのメリノ種の中でも細い繊維で紡績されたエキストラファインメリノの糸。どんな色柄にもすんなりなじむシンプルなデザインながら、かのこ編みやジグザグ柄のインレイ編みなど、多彩な編み地で表現した変化に富んだ表情が上質感をアピールしてくれる。また、ふわつきを抑えた美しい落ち感や、自然な袖のフォルム、後ろ姿をすっきり見せるV字開きの衿など、着物・洋服どちらに合わせてもきれいに決まるディテールも優秀。軽やかな着心地や、秋口から春先まで使える活用度の高い絶妙な厚みも見逃せない。ふだん使いに、旅に。手放せないアイテムになること間違いなし。
軽くて暖か。
つい手が伸びる
「おとづき商店×七緒」ショール羽織



急な冷え込みや、ちりよけに、常に備えておきたいのが”羽織もの”。軽い着心地の薄手のウールガーゼを使い、和装コート専門メーカーの「おとづき商店」と『七緒』がタッグを組んで完成させた独自のスタイルは、カーディガン感覚で気軽に羽織っても、ピンなどで前を閉じて防寒性を高めても様になる長めの丈。しかも衿を寝かせればへちま衿コート風に、立てればモダンなコクーンコート風にと、下に着るものや目的に合わせて自在に楽しめる。人形仕立てで袖の振りを閉じているので、どんな丈の着物もフォロー。ヘリンボーン調の雰囲気のある生地と、ベーシックな2色は、洋服にも無理なくマッチする。脱いだらコンパクトに畳んでバッグへ。かさばらないので、まさにショール感覚で気負わず持ち運びできる。
お澄まし小紋も、きれいめ紬も
「おとづき商店×七緒」 ベロア羽織(裏地付き)


礼装用にも使われるつややかなベロア素材を使ったロングセラー羽織に、防寒性の高い裏地付きが登場。木綿や紬によし、小紋にもよしの汎用性や、バランスのよい長めの着丈、物の袖丈に関係なく着られる振りを閉じた仕立てなど、使い勝手のよさはそのまま。裏地の効果で脱ぎ着がスムーズだ。定番の「黒」に、待望の新色「紺」も加わり、選ぶ楽しみがアップ。
着こなしの
ポイントにも
「矢野容子」ガラスのストールピン




着こなしのポイントになるカラーと動きのあるねじりが魅力的なピンは、着物をこよなく愛するガラス作家・矢野容子さんの手によるもの。試験管にも使われる耐熱ガラスで、ひとつひとつ丁寧に制作されている。きちんと留められる全長約10cmの大振りサイズだから煩わしいショールのずり落ちとは、これでサヨナラ。「おとづき商店×七緒」ショール羽織にも◎。
旅の小技2
一点で存在感。
京の職人技を味方に
「三浦清商店×七緒」縮緬帯揚げ
「衿秀×七緒」細冠組帯締め



着物と帯は一緒でも”できる小物”を味方にすれば、旅の間もイメージチェンジ自在! オリジナルカラーが毎年大好評の帯揚げは京都の白生地専門店だからできる上質の素材と染めが人気。端正な細幅が着姿をすっきり見せる帯締めも今年の新色。どちらも着物スタイリスト・コバヤシクミさんの感性に力を得た、ドキドキするほど美しく使える色ばかりだ。
色選びのヒント

菜種色
明るさがありながら浮かない秘密はビター感。民藝(みんげい)色の強い絣や大島などもモダンな印象に。
露草
「秋冬にも映えるブルー」とはコバヤシさん。ベージュの着物に大人っぽく差したり、甘口小紋の中和剤としても。
木賊(とくさ)色
昭和感漂う色柄や、ほっこり紬のアップデートに◎。濃い色はちょっと冒険、という人にも安心できる1枚。
山葡萄(ぶどう)
難しく考えずに使えるクールな紫。シックな紬にやわらかさをプラスしたり、きれいめ着物とも好相性。

桔梗(ききょう)
女性らしさを抑えた都会的な紫。泥や藍大島に代表される””譲られ着物””も自分らしい意志のある装いに。
山吹
イエロー系の帯締めは初めてという人にもお薦め。青系の着物と合わせて爽やかに、黒や茶を快活に着たい日にも。
水浅葱
「何も考えなくても、平均点以上のコーディネートをつくれる色」とコバヤシさん。迷ったら、コレ!
胡桃(くるみ)
淡色の着物を品良くまとめるのはもちろん、濃色の抜け感づくりにも大活躍のまさにボーダーレスカラー。