着物好きの3名の審査員が五つのアイテムを徹底比較した連載企画「着つけも洗濯も、スマートに 洗える長じゅばん選手権」。前回の【種目1 触ってみた】に続き、今回も長じゅばん界の精鋭が競った結果やいかに。選手権、開催中!
種目2 着てみた
まずは気になる裾さばきから。「絽ちぢみは体に沿うのがいいですね。でも、その分裾が少しまとわりつくかも」と小田嶋さん。泉さんは「アイスコットンも肌に沿う分、ややまとわりつくけれど、『大股歩き防止』になって私には向いているかも(笑)」。 洗いものをしたり、トランプ遊びをしたり、動き回ること半日、5アイテムすべて着崩れはほとんどなく、汗でべたつく不快感もなし! 「特に麻の大うそつきは、脇の汗が気にならなくて快適でした」と泉さん。
むしろ3名が気になったのは、衿まわり。本多さんと小田嶋さんは「絽ちぢみの衿がちょうど良いやわらかさ」と着心地のよさを高く評価した。一方、「き楽っく長じゅばんは衿が厚いので、薄手の着物よりも麻や綿素材の着物との相性が良いかも」という意見が出た。
“着てみた” 3人の評価は…
「つゆくさ」大うそつき長じゅばん 麻わた入り
麻わたが脇までしっかり入っていて、脇汗を気にせず着られます。麻わたが胸まわりの補整代わりにもなり、きれいな鳩胸に。麻わたが腰まわりまで入っており、細身の人向きかも。(泉さん)
生地のひんやり感 〇
風通しの良さ 〇
裾さばき ◎
仕立て(衿の硬さなど) 〇
アイスコットン長じゅばん(反物)
肌に触れるとひんやり! 生地の目が詰まっているので重いかも?と思いきや、着てみると案外軽やかで体に沿う感じが心地よいです。(泉さん)
生地のひんやり感 ◎
風通しの良さ 〇
裾さばき △
仕立て(衿の硬さなど) ー(反物商品のため)
東レ爽竹セオα プレタ長襦袢(紙人形)
すべりも良く、着心地も涼しい。私はふだん、衿芯に三河芯を使用しているので、爽竹の硬めの衿は私には合わないかな。(本多さん)
生地のひんやり感 ◎
風通しの良さ ◎
裾さばき ◎
仕立て(衿の硬さなど) 〇
「衿秀」き楽っくプレタ 長じゅばん (ひんやりPremium)
ファスナーで半衿が簡単に付けられるので便利。衿の形もきれいです。上半身の身頃は体にフィットして、ゆとりが少なめに感じました。(本多さん)
生地のひんやり感 〇
風通しの良さ ◎
裾さばき ◎
仕立て(衿の硬さなど) 〇
東レ絽ちぢみ紙人形プレタ長じゅばん
衿がやわらかすぎないところが良いですね。衿が立ちやすいので、衿をきりっとさせて着たい人に良さそうです。(小田嶋さん)
生地のひんやり感 〇
風通しの良さ 〇
裾さばき 〇
仕立て(衿の硬さなど) 〇
※「東レ絽ちぢみ紙人形 プレタ長じゅばん」は、こまものや七緒取り扱い外商品です。
洗える長じゅばん選手権 よみもの一覧
⇒ 第1話「触ってみた」はこちら
⇒ 第2話「着てみた」はこちら
⇒ 最終話「洗ってみた」はこちら
●引用元
七緒vol.70 夏号(プレジデント社)
●スタッフクレジット
文=佐々木香織
撮影=ただ(ゆかい)