着つけ時の面倒な
立ったり座ったりから解放
Yucaさん 「OHARIYA」店主
●「smart」ポールハンガー
●クローゼット着物ハンガーつる子さん
●「MAWA」シングルハンガー3本組
仕立て店の娘として育ち、幼少期から着物になじみがあったというYucaさん。着つけは、日本舞踊を嗜たしなむ叔母に習って覚えたそう。以前勤めていたラグジュアリーブランドでは、ゲストに洋服のトータルコーディネートを提案。全身のスタイリングを考える点では、着物に通じるところもあったという。「VIPの方には、フィッティングルームを〝特別な空間〞にするおもてなしをします。お客さまが好きそうな商品を手に取りやすいところに配置し、ソファやテーブルの位置も移動。着替えなどで無駄な動きをなくすことを意識していました」
当時のこの考え方は、今の着物の着つけにも生きている。「必要なアイテムの住所が決まっていると、それだけですごく着つけはらくになります」。その住所として、ポールハンガーが役に立っている。必要なものをすべてポールに掛けてしまえば、立ったり座ったりすることなく着つけが完成。「目線の高さにバーがあるのがちょうど良くて、しゃがまないから裾も着崩れないし、肩から上に手を上げる必要もないので衿元もきれいなままなんです」
床に広げた風呂敷やソファに小物を置いていたころは、立ったり座ったりを繰り返すときに着崩れするという悩みを抱えていたYucaさん。今ではお客さまの着つけのときにもポールを活用。「脱いだ着物や帯をポールに掛けておけば、汗を乾かすこともできて便利」と、欠かせないアイテムのひとつになっている。
身長150cmのYucaさん。自分の目線で無理なく使える高さで、なおかつ幅もちょうどいいものを探し続け、ようやく出会ったポール。ミニマムなつくりながら必要なものがすべて掛けられる。
袋帯のお太鼓は、叔母に教わった「仮紐を使わない」方法で結んでいるのだとか。「右手でお太鼓を押さえながら、左手で帯締めを取って結びます。しゃがまなくていいからきれいにできているのかも」
右上/着物、帯、帯揚げ、帯締め、腰紐などはすべてポールに掛けてから着つけ開始。右下/着物クリップや帯枕、三重仮紐などの小物の収納にはつり下げタイプのトラベルポーチを活用。後ろのポケットには帯板を入れている。
Yucaさんの愛用品
衣桁(いこう)を広げるスペースがない部屋でも、コンパクトなポールなら大活躍。洋間にもなじむので、使わないときはそのままインテリアの一部になる。一緒に使っているクローゼット着物ハンガーつる子さんは、付属の衿留めを使うことで本畳みもしくは袖畳みした着物をシワの心配なくつるすことができる。シングルハンガーは帯をかけるのに最適。特殊コーティングがほどこされており、重みのある名古屋帯や袋帯でも滑り落ちることがない。
ゆか 1883年創業の着物仕立て店「尾張屋」で生まれ育つ。「GUCCI」や「BALENCIAGA」で販売などの経験を積んだ後、代々続く職人の仕事が途絶えることに悩み、着物と和小物のセレクトショップ「OHARIYA」を開業。