あの人の愛用品

あの人の愛用品/後藤由紀子さん

着物も洋服も、暮らしの中で気負わずに心地よく

後藤由紀子さん 生活雑貨店「hal」店主

●着物サイズのシンプルハンガーラック スリム

 後藤由紀子さんが営む生活雑貨店「hal」には、使いやすく温かみのある雑貨や衣服が並び、置いてあるものひとつひとつが居心地よさそうにしている。
 幼いころからお母さまの着物姿を見ていた後藤さんにとって、着物は身近なもの。「ふだんに着物をていた母のように、日常の中でさらりと身に着ける、そんなふうに着物と付き合いたい」と後藤さん。「洋服も着物も、シンプルで気持ち良く着られるのが一番です」。それはまさに、「hal」の世界観そのものだ。
 自分でさっと着られるようにと、後藤さんはこの春に着つけを習いはじめ、自分好みの着物も少しずつ揃えているという。「だからといって着物専用の家具などを買うのは少しためらわれます。今の自分の生活スタイルに合って、なおかつ使い勝手の良いものがあればうれしいですね」。そんな後藤さんが最近出会ったのが、シンプルなデザインのハンガーラックだ。着物にも洋服にも伸び伸びと気持ち良く過ごしてほしいし、それでこそ心地よく着られるはず。「すりと背が高くて長いものも掛けやすい。これなら着物もワンピースも、小物だってゆったり掛けられますね」
 雑貨とも洋服とも、そして着物とも、長く良く付き合いたい後藤さんに、また一つ頼もしいパートナーができたようだ。

着用前はハンガーに着物を、バーには帯を掛けて風を通しつつコーディネートを確認。着た後は同様に掛けて汗を飛ばす。着物だけではなくワンピースにも便利。着物も洋服もゆったり掛けられるのがいい。

上下2カ所にあるフックには、付属のバーを渡して帯やスカーフを掛けたり、ジャケットなど丈が
短いものをつるすのにも使える。フックがしっかりしているので、バッグや帽子などの小物にも。

この日のコーディネートは、モダンな柄行きの白大島に植物文様の黒地の帯。手工芸作家の堀川波さんによるふた付きの籠のバッグを合わせて

後藤由紀子さんの愛用品

着物を着る人のために、『七緒』編集部が使い勝手やデザインを研究・企画して実現したハンガーラック。高さが190cmあるので身丈が長めの着物でも無理なく掛けられる。細身のパイプで圧迫感がなく、組み立て式で軽いので移動もスムーズ。幅約74cmのワイドや、幅約38cmの(キャスター付き)極スリムも。

ごとう・ゆきこ 雑貨が好きで専門学校卒業後に東京の雑貨店に勤務。その後、地元の静岡・沼津に戻り2003年に「hal」をオープン。着物好きの母の影響で幼いころから着物に親しみ、最近あらためて着つけを習って着る機会を増やしている。著書に『雑貨と私』(mille books)など。

撮影=山田 薫 文=沼田実季 着つけ協力=井草留美(井草呉服店)

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